故郷の関連記事
「ふるさとに愛着」
東京圏の地方出身女性6割、
男性5割
共同参画白書
2025/06/15 00:31
日経速報ニュース

【この記事の内容】
『孤独死リスクが2倍に?“ふるさと無関心”な高齢者に潜む危機』
はじめに
「ふるさとは心の帰る場所」
介護の現場で多く耳にするのが「ふるさとに帰りたい」という高齢者の声です。
これは単なる懐かしさではなく、「自分らしさ」や「安心感」を取り戻したいという深い気持ちの表れです。
ふるさとへの思いは、高齢者にとってメンタルケアの重要な要素であり、その人らしさを理解する手がかりとなります。
今回の記事では、2025年版の男女共同参画白書を参考にしながら、高齢者が持つ「ふるさとへの愛着」が介護現場にどのような影響を与えているのかを考えていきます。
ふるさとへの思いは高齢者の生活の質に深く関係しています。
結論
出身地との結びつきは高齢者の心の安定に大きく寄与します
■理由
・育った土地への愛着は、自分のルーツや記憶と深く結びついています
・年齢を重ねるほど、過去に戻りたいという気持ち(回帰願望)が強まります
・懐かしい場所や文化に触れることで、安心感や幸福感が生まれます
■具体例
・認知症の方が、地元の方言や昔の祭りの写真に反応して笑顔を見せる
・特養で提供した郷土料理の献立で食欲が改善した
・デイサービスで地元に関する会話を取り入れると、参加意欲が向上する

白書に見る男女差とふるさとへの愛着の背景
政府の調査によると、東京圏に住む地方出身の女性の約63%が「出身地に愛着がある」と答えています。
男性は50%で、女性のほうが強い愛着を持っていることがわかります。
■背景にある要因
・地元では「家事・育児・介護は女性の仕事」とされてきた影響
・都会に出て自由や選択肢の多さを得た女性が、地元に対して複雑な思いを抱く
・進学や就職の選択肢が少なく、地元を離れるしかなかった事情
■高齢者にも通じる心情
高齢者もまた、自分が生きてきた時代や地域における役割や制限を覚えており、それが今の「ふるさとへの想い」に影響を与えています。
愛着には、誇りだけでなく、葛藤や悔しさも含まれています。

介護者の立場から
ふるさととの関係をケアに活かす
結論
出身地にまつわる記憶を介護に取り入れることで、心のケアが深まります
■取り組み例
・利用者ごとの「ふるさと情報」を整理(方言、地元の行事、郷土料理など)
・方言を使ったコミュニケーションで親近感を醸成
・地域音楽や写真を用いた「回想法」で記憶の刺激と安心感を引き出す
■考察
ふるさとは、高齢者にとって人生の「座標軸」のような存在です。
その座標が曖昧になりがちな高齢期に、私たち介護者は「現在地を確認する地図」として寄り添う役割を果たします。
家族の立場から
ふるさとへの想いを共有するために
課題
・離れて暮らす家族は、本人の出身地の背景や文化を知らないことが多い
・都市生活が長い家族には、地元の価値観が理解されにくい
対応策
・家族に、本人の思い出やふるさとについてのエピソードを書いてもらう
・オンラインでふるさとの様子を共有する「デジタル帰省」を提案する
地域社会の視点
ふるさとでの暮らしやすさを再構築する
課題
・昔ながらの性別役割意識が残っており、高齢者が生きづらさを感じることがある
・若い世代の流出により、地域とのつながりが希薄になっている
対応策
・地元の学校と介護施設の交流を促し、多世代での理解を育む
・郷土文化や歴史を活用し、高齢者が「語り部」として役割を持てる機会をつくる

介護福祉の現場で起きていること
介護現場では以下のような課題と変化が起きています。
認知症ケアの質の向上
記憶に基づくケア「回想法」が注目されています
多様な文化背景への対応
出身地の価値観や習慣に配慮したケアが求められます
家族の関与の減少
離れて暮らすケースが増え、高齢者の孤立が進んでいます
画一的なケアと個別性のバランス
マニュアル化が進む中で、個人の背景をどう尊重するかが課題です

結論
ふるさとへの想いは高齢者の“その人らしさ”を支える鍵
介護において「ふるさと」は単なる懐かしい場所ではありません。
それは、その人の人生をかたちづくってきた「心の拠り所」であり、尊厳の根拠でもあります。
高齢者のふるさとへの想いに寄り添うことは、介護の質を高めるだけでなく、介護者と本人の信頼関係を深め、生活の質(QOL)を大きく向上させるカギになります。
今後の介護は、本人の背景や価値観により深く目を向ける「個別ケア」の重要性がますます高まっていくでしょう。



コメント