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別れの形は静かにシンプルに
50%が家族葬、
葬儀代はピークの2割安
値札の経済学
2025/06/24 02:00
日経速報ニュース

【この記事の内容】
『やっておけばよかった…介護者が後悔する“別れの準備”とは?』
はじめに
「旅立ちは、その人らしさを残す時間」
介護の現場から見える価値観の変化
葬儀の簡素化は、単なるコスト削減ではありません。
それは本人と家族が「何を大切にした別れ方をしたいのか」を見直すプロセスです。
なぜ今、葬儀は「静かでシンプル」になっているのか?
1. 参列者の高齢化と平均寿命の延び
現代の日本では、故人も参列者も高齢であることが一般的です。
結果として、移動や宿泊を伴う一般葬への参加が困難になっています。
この背景により、大規模な一般葬(参列者50人以上)から、小規模な家族葬(30人以下)へと移行が進んでいるのです。
2. 「思い出を整える」意識の高まり
高齢者の価値観も変化しています。
「残す」より「整える」。
終活ノートや事前相談など、生前に準備を進める方が増えています。
実際に、「樹木葬」など自然に寄り添う選択肢を選ぶ人も多く、2024年には購入者の約半数が樹木葬を選びました。

介護者が考える“いい葬儀”とは?
精神的・経済的負担を抑える選択肢
介護の現場でよく見られるのが、「看取りの後に急いで葬儀、続いて相続手続き……」という家族の疲弊です。
葬儀にかかる費用と手続きの複雑さが、家族に重くのしかかります。
介護者視点で「いい葬儀」とは、以下のような点を満たすものです。
・無理のない予算で選べる多様なプラン
・家族の精神的な負担が少ないシンプルな形式
・遺品整理や不動産売却など、葬儀後も一貫して支える体制
高齢者本人の視点
「最期まで自立した選択を」
葬儀の準備は、高齢者にとって“人生最後の自立”とも言えます。
「家族に迷惑をかけたくない」「自分の人生にふさわしい形で見送られたい」と願う人が増えています。
そのため、以下のような行動が多く見られるようになりました。
・自ら葬儀場を見学し、事前契約する
・「式は要らないが、思い出の音楽は流してほしい」と具体的に希望を伝える
・家族葬や樹木葬、火葬式といった低負担型葬儀の選択
家族の視点
「急な別れ」に備えるためにやっておくべきこと
介護していた家族が亡くなると、短期間で多くの判断を迫られます。
心の余裕がない中で葬儀の準備を進めるのは非常に困難です。
そこで、次のような対策が有効です。
・介護中から終末期、葬儀、相続までを事前に話し合っておく
・地域包括支援センターを活用して情報収集する
・葬儀社との事前相談で見積もりや流れを把握する
地域の役割
「人生の出口」を支える仕組みづくり
高齢者の約6人に1人が介護施設で最期を迎える時代になりました。
これに伴い、地域や介護施設が“葬送”にも関わる場面が増えています。
具体的な動きとしては
・施設の居室で簡易なお別れ会を行う
・地元葬儀社とのネットワークを築き、地域全体で支える
・地域住民向けの終活セミナーを定期開催する
地域全体で「看取りから弔いまで」をサポートする体制が求められています。

現場で起きている変化
介護と葬送の連携強化
介護施設の中には、以下のような変化が見られます。
・葬儀社との連携マニュアルを整備
・遺族から「この人はどんな式を望んでいましたか?」と相談される機会の増加
・遺影や思い出の写真、手紙を使った小規模な“ミニ葬儀”の導入
・オンラインでの弔問(リモート告別式)への対応
・地域包括支援センターと葬儀社による勉強会の開催

結論
「いい葬儀」は、生き方を締めくくる
“選択の自由”にある「いい葬儀」とは、単に形式や費用の話ではありません。
それは、高齢者本人が最期まで自分らしくいられる選択であり、家族が「これでよかった」と思える別れのかたちです。
私たち介護者ができることは、葬儀という終末期の重要な場面においても、高齢者と家族の意思を尊重し、寄り添うこと。
葬儀が“終わり”ではなく、“感謝と尊厳の表現”として機能する社会づくりを目指すべきだと感じています。



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