9割の介護者が知らない「嚥下食の落とし穴」とQOL低下の真実

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岐阜市の歯科医師・近石壮登氏、

「見た目もおいしい嚥下食をカフェで」

日経グローカル 

グローカルインタビュー

2025/06/26 05:00

日経速報ニュース

岐阜市の歯科医師・近石壮登氏、「見た目もおいしい嚥下食を地域のカフェで」フレンチ料理人や管理栄養士と組む - 日本経済新聞
嚥下(えんげ)食は、かまずに飲み込める料理のこと。病院や介護の枠を飛び出し、これまで縁遠かった外食のメニューにも登場している。岐阜市のカムカムスワローは近石病院に併設するカフェだ。気鋭のフレンチ出身の料理人が「見た目もおいしい嚥下食」を提供...

【この記事の内容】

見落としがち!嚥下食ケアでやってはいけない対応ミス…歯科連携ゼロは危険

はじめに

嚥下障害を抱えた高齢者が「もう普通の食事は無理だ」と感じたとき、多くの場合、同時に人生の楽しみや社会とのつながりまで手放してしまうことが多いのです。

岐阜市で歯科医師の近石壮登氏が開業した「カムカムスワロー」は、そんな高齢者の「食べる楽しみ」を取り戻す場として注目されています。

ここでは、見た目にも美しく、味にもこだわった嚥下食を提供し、地域全体を巻き込んだ新しいケアの形が実践されています。

介護者として注目すべき、「歯科」と「嚥下食」の連携の意義

結論

高齢者介護では、歯科的な支援と美味しい嚥下食の提供が生活の質(QOL)を高める鍵です。

理由

・嚥下障害があると、誤嚥(ごえん)性肺炎のリスクが高まり、同時に食事の楽しみを奪われやすくなります。

・歯科医が関与し口腔環境を整えることで、より安全で快適に食べられるようになります。

・見た目も味も通常の料理と変わらない嚥下食は、高齢者の自信と生きがいを取り戻す大きな助けになります。

具体的な取り組み例

・「カムカムスワロー」では、3段階の嚥下レベルに合わせたフルコース形式の嚥下食を事前予約制で提供しています。

・メニューには鯛のカルパッチョやとろけるハンバーグ、いちごのムースなどがあり、「嚥下食=味気ない」というイメージを覆すものばかりです。

・管理栄養士が常駐し、相談対応や健康教室、がんカフェ、手話講座など、多世代の交流を生む地域拠点として機能しています。

高齢者の「食」を支える多面的な視点とその課題

現場では、食事支援において様々な立場の課題が浮かび上がります。

以下はそれぞれの視点から見た従来の課題と、カムカムスワローが提示した解決のヒントです。

介護者視点

従来

安全重視のあまり味や見た目が二の次になりがち

改善

安全・味・見た目の三立を目指し、本人の食欲と尊厳を大切に

高齢者視点

従来

外食できないことが社会的孤立の引き金に

改善

誰でも利用できるカフェで、社会との接点を再構築

家族視点

従来

外食の機会が減り、家族との時間が失われる

改善

一緒に楽しく食事ができる環境を提供し、家族の絆を再生

地域視点

従来

高齢者支援がバラバラで、活動のつながりが乏しい

改善

カフェを中心に人と活動を“点から面へ”つなぐ新たな地域共創の形

「食のバリアフリー」は、街の段差をなくすのと同じ

介護現場では、車椅子の人のために段差をなくしたり、手すりをつけたりといった空間の“バリアフリー”が進んでいます。

しかし「」については、まだ多くのバリアが残されています。

嚥下食の地域展開は、「目に見えない段差を取り除く」ことに他なりません。

誰もが自然に外食を楽しめる社会の実現は、まさに食のバリアフリー化。

これはインクルーシブ社会への第一歩です。

現場で感じる、嚥下と歯科の支援課題

介護福祉現場の中で、以下のような課題に直面しています。

・在宅での歯科診療が受けにくく、口腔ケアが不十分

・嚥下訓練と栄養指導の連携が取れていない

・「嚥下食は味気ない」と思われがちで、利用者の意欲が低下

・家族が正しい介助方法を知らず、不安を抱えている

・外食=危険という固定観念が、チャレンジの機会を奪っている

カムカムスワローが示す、地域共創型ケアの可能性

近石氏が創設したカムカムスワローは、「嚥下食の提供」以上の役割を果たしています。

ここでは、歯科、栄養、地域支援が一体となり、高齢者や障害者を含むすべての人が、安心して食を楽しめる場を作り出しています。

さらに、カフェを起点にさまざまなイベントや活動が展開されることで、地域全体の健康意識が高まり、社会的な孤立の予防にも寄与しています。

まとめ

介護者としての学びと未来への希望

・歯科医による地域介入は、高齢者の生活全体に明るさを取り戻す起点になる

・見た目も楽しめる嚥下食は、人生の楽しみと自信を取り戻す鍵となる

・多職種の連携と地域とのつながりが、QOL向上と介護の質の両立を可能にする。

介護者の役割は、「もうできない」を「まだできる」に変えていくこと。

近石氏のような取り組みを参考に、現場でももっと多くの“食べる喜び”を届けていきたいと強く思います。

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