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北九州市営バス、
運賃18.7%引き上げへ
26年春に14年ぶり
2025/10/23 17:40
日経速報ニュース

【この記事の内容】
『240円が奪う「外出の自由」北九州バス値上げで高齢者に起きる異変とは?』
はじめに
運賃値上げの背景と高齢者利用の現状
市営バスの運賃が引き上げられる背景を理解することは、高齢者の交通利用を考える上での第一歩です。
運賃値上げの背景北九州市の市営バスは、2026年春に運賃を引き上げる見込みです。
普通運賃の初乗りは190円から240円へと上がり、約18.7%の値上げとなります。
主な理由は以下の通りです。
・バス利用者の減少
・燃料費
・車両維持費
・人件費の上昇
・運転士の確保難による経営負担の増大
また、子どもや高齢者を対象にした優遇制度の新設も検討されています。
高齢者と市営バス利用の現状
高齢化が進む地域では、日常の移動手段として公共交通への依存が高まっています。
しかし、高齢者にとっては以下のような課題が存在します。
・バス停までの移動が困難
・乗降時の身体的負担
・運賃負担の増加
市営バス側でも「ノンステップバス(段差の少ない車両)」の導入や「バス停の屋根整備」など、高齢者に優しい環境づくりを進めています。
それでも、免許を返納してバスに頼る高齢者が増える一方で、経済的な負担が上がることは大きな不安材料です。
介護者視点で考察
介護福祉の分野では「移動支援」や「出かける権利(社会参加の権利)」という考え方があります。
これは、高齢者が地域の中で自立的に生活し続けるための基盤です。
この視点を公共交通に転用して考えると、運賃値上げは単なる価格変動ではなく、高齢者の生活の質(QOL)や社会参加に直接影響を与える要因といえます。
移動支援としての公共交通
高齢者がバスを利用して通院や買い物、友人との交流を続けることは、心身の健康維持にもつながります。
しかし、運賃が上がることで「外出を控える」という選択をする人も出るでしょう。
介護サービスとの連携
介護職やケアマネジャーが外出支援を行う際、交通費の増加は支援計画の見直しを迫ります。
移動コストの上昇は支援のハードルにもなります。
地域包括ケアとの関係
高齢者が地域で暮らし続けるには、「移動の継続性」が欠かせません。
公共交通が維持されなければ、閉じこもりや生活機能の低下につながる恐れがあります。

各視点からみた課題と対応
高齢者視点
課題
・運賃上昇により外出頻度が減る可能性
・徒歩や乗降に伴う身体的負担の増加
・経済的理由による移動の制限
対応策
・家族や介護者と一緒に、使いやすい路線や時間帯を確認する
・高齢者向け割引や定期券制度の活用を検討する
・バス停までの動線を安全に保つ(手すりや滑り止めの設置など)
家族・介護者視点
課題
・交通費の増加による経済的負担
・高齢者の外出機会減少による心理的影響
・通院や買い物のサポート頻度が増える可能性
対応策
・家族で交通費を含む生活プランを見直す
・地域の移動支援制度(福祉乗車証・コミュニティバス)を活用する
・外出機会を家族イベントとして計画し、楽しみの要素を取り入れる
地域視点
課題
・利用者減少によるバス路線の縮小リスク
・外出機会の減少による「買い物弱者」「交通弱者」の増加
・地域の医療・商業機能の衰退
対応策
・行政と住民が協働で高齢者の移動環境を整備する
・バス利用を支援する地域ボランティア活動を推進する
・地域交通計画に高齢者の意見を積極的に反映する
介護福祉領域(筆者の視点)
課題
・ケアプラン内での外出機会の確保が難しくなる
・孤立や閉じこもりリスクの上昇
・移動支援依頼の増加による現場負担の拡大
対応策
・利用者と家族に運賃改定の情報を早めに共有する
・外出支援をケアプランに組み込み、移動習慣を維持する
・代替交通手段(送迎・福祉タクシーなど)の情報提供を行う
公共交通と高齢社会にかかる「外圧」
この運賃値上げは、公共交通を取り巻く社会的圧力の表れでもあります。
・人口減少・高齢化により、利用者数が減少し、経営が厳しくなっている。
・燃料費・人件費の上昇で事業コストが増大。
・制度の変化(免許返納促進や地域包括ケア政策)で公共交通への依存が高まっている。
・郊外化・車社会化が進み、バス停までの距離が遠くなるなど、環境的な不便さも増している。
運賃値上げは単に経済の問題ではなく、「誰が移動コストを担うのか」という社会的課題です。
公共交通の持続可能性と高齢者の生活の両立が問われています。
結論
介護者として見える課題と希望
介護者の立場から見ると、運賃引き上げは単なる値上げではなく、高齢者の「移動の自由」をどう守るかという問いです。
移動のしやすさ、割引制度、代替交通の3点を整えることが、これからの地域福祉の鍵になります。
介護者・家族・地域が連携し、情報を共有しながら「移動の支援体制」を作ることが求められています。
介護の現場では、「移動=活動=生活の質」と考え、公共交通を使った外出を積極的に支援していくことが重要です。
これは、単なる交通問題ではなく、人が地域で“生き続ける力”をどう守るかという社会全体の課題でもあります。



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