家族が知らないマイナ保険証トラブル…高齢者が不安で動けなくなる現実

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マイナ保険証が原則に 

重複投薬を抑制、

紙の保険証も暫定利用可

2025/11/30 02:00

日経速報ニュース

マイナ保険証が原則に 重複投薬を抑制、紙の保険証も暫定利用可 - 日本経済新聞
マイナンバーカードに健康保険証の機能をもたせたマイナ保険証の利用が12月2日から原則となる。医師や薬剤師らが患者の受診歴や処方薬の情報を確認でき、重複投薬などを防げる。マイナ保険証の利用はまだ低調だ。従来の紙やプラスチックの保険証は同月1日...

【この記事の内容】

利用率わずか37%の裏側…マイナ保険証が“進まない”盲点とは?

はじめに

介護の世界には、本人ができることを奪わず、環境を整えることでその人の力を引き出す「自立支援」という考え方があります。

この視点は、高齢者の保険証をマイナンバーカードへ移行する問題にもそのまま当てはまります。

制度が使えない理由の多くは、本人の能力ではなく、手続きが難しいことや不安が大きいこと、そして周囲の支援が十分でないことにあります。

この記事では、介護者として日々の現場で見える高齢者の心理、家族の戸惑い、地域で起きている変化を踏まえ、なぜマイナ保険証の利用が進まないのか、そしてどうすれば無理なく移行できるのかを考えていきます。

結論

マイナ保険証の利用が低調な背景には、高齢者の不安感や手続きの負担、制度への不信感が根強く残っていることがあり、さらに介護者・家族・地域の支援環境が追いついていないことが大きな要因です。

介護現場で起きている課題と重ね合わせることで、必要な支援の方向性がより明確になります。

マイナ保険証が原則化される背景と期待される効果

マイナ保険証には、重複投薬を防いだり、高額療養費の手続きを簡略化したり、救急時に過去の情報を確認できたりする大きなメリットがあります。

また、スマホ保険証が始まったことでカードを持ち歩く必要も減りました。

本来であれば高齢者の生活を支えるはずの仕組みですが、メリットが十分に伝わらず、実際の利用率は伸び悩んでいます。

なぜ「利用率」は低調なのか利用登録者は多いにもかかわらず、医療機関での利用率は約半数に届きません。

これは「制度を整えること」と「実際に使われること」は別物だという現実を示しています。

現場の支援体制が弱かったり説明不足だったりすると、どれだけ制度を改善しても利用は進みません。

高齢者はなぜマイナ保険証を使いたがらないのか

介護者として多くの高齢者と関わると、次のような心理が見えてきます。

手続きへの不安、生活が変わることへの抵抗、情報漏えいへの恐怖、そして機械操作への苦手意識。

これは、介護現場でセンサー付きベッドを導入した際に「操作が分からず眠れない」という高齢者の姿と似ています。

本質的には“制度の複雑さが不安を生み出している”状態です。

介護現場の課題を制度移行に応用する

介護現場では「新しい福祉用具に抵抗する」「情報不足で不安が募る」といった課題が日常的に起こります。

これをマイナ保険証移行に当てはめると、次のことが言えます。

段階的な説明が必要であり、手続きの際には支援者の付き添いが不可欠で、メリットは具体例を伴って説明しなければ高齢者には伝わりません。

つまり、マイナ保険証への移行は、新しい福祉用具を導入する時と全く同じ構造を持っており、環境の整備こそが鍵になります。

介護者視点での課題と対応策

介護者には制度説明の時間が取れない、手続きのサポートに労力がかかる、トラブル時の負担が増えるなどの課題があります。

対応策としては、訪問介護や通所介護の生活支援の流れで手続きを進めたり、「薬が重ならないための保険証」といった短い説明にするなど、負担を減らす工夫が必要です。

また、ケアマネによる移行ガイドの作成や、施設でのスマホ保険証案内も有効です。

高齢者視点での課題と対応策

高齢者はカードの扱い自体に不安を持ち、過去の報道が不信感を増します。

また、スマホを持たない人にとっては新しい制度そのものが遠い存在です。

対策としては、生活に直結するメリットを分かりやすく伝えること、企業や自治体による出張登録会の開催、紙の保険証との併用期間を丁寧に説明することが求められます。

家族視点での課題と対応策

家族はカード管理やパスワード管理が難しく、手続きに時間が割けず、制度自体をよく理解していない場合もあります。

対応策として、代理申請制度の活用やスマホ保険証の利用促進、そして介護者・家族・ケアマネが一緒に説明を受ける機会をつくることが効果的です。

地域視点での課題と対応策

地域では、高齢者が多い地域ほど説明負担が増え、市役所の人員不足も影響しています。

また、医療機関側の準備不足やデジタル弱者の多さが利用の壁になっています。

対策として、地域の相談日を設けることや、医療機関での使い方ガイドの掲示、地域全体で移行サポートチームを組むことが重要です。

介護現場で起きていること

高齢者のデジタル拒否感、手続きの煩雑さから生まれる生活不安、介護職員への説明依頼の増加、家族のパスワード管理の混乱、地域での制度相談の増加、医療機関の機器トラブルなど、多くの課題が現場で顕在化しています。

また、救急時にマイナ保険証が役立つ場面があっても、その事実が十分に知られていないという情報ギャップも存在します。

まとめ

介護者としての考察

マイナ保険証は安全性の高い医療を支えるために重要な役割を持っていますが、高齢者の不安や支援不足が原因で利用が進んでいません。

介護の考え方である「自立支援」のように、できない本人を責めるのではなく、周囲が環境を整えることが必要です。

家族が手続きを支え、介護者が分かりやすく説明し、地域がサポート体制を整え、医療機関が利用しやすい環境を整えること。

これらが組み合わさった時、高齢者は安心してマイナ保険証へ移行できるようになります。

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