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腸内環境、
発酵性食物繊維で改善
雑穀や副菜選びを工夫
2025/08/15 05:00
日経速報ニュース

【この記事の内容】
『腸活してるのに便秘が悪化!?高齢者の9割がやりがちなNG習慣とは』
はじめに
「未病」とは、病気になる一歩手前の状態を意味し、病気になる前に予防的な手を打つことを大切にする考え方です。
この視点は、介護現場でも重要です。
利用者の体調変化に早く気づき、トラブルを未然に防ぐことが求められます。
たとえば、便秘や食欲低下といった変化は、腸内環境の乱れが原因であることが多く、早期の対応が重要です。
つまり、「腸活」とは、未病対策の一つ。
腸内環境を整えることが、健康寿命を延ばし、QOL(生活の質)の向上にもつながります。
発酵性食物繊維とは何か?
その効果とは?
発酵性食物繊維とは、大腸まで届き、腸内の善玉菌によって発酵される食物繊維のことです。
この発酵によって、酢酸・酪酸・プロピオン酸といった「短鎖脂肪酸」が作られます。
短鎖脂肪酸の効果は以下の通りです。
・腸のバリア機能を強化する
・免疫力を高める
・コレステロールや血糖値の上昇を抑える
・心の安定にもつながる(腸と脳の関係=腸脳相関)
なぜ高齢者に必要なのか?
加齢とともに、善玉菌(特にビフィズス菌)が減少します。
そのため、高齢者には「善玉菌」と「発酵性食物繊維」の両方が必要です。
バランス良く摂取することで、腸内のリズムが整い、便通や体調も改善されやすくなります。
発酵性食物繊維を多く含む食品とは?
以下のような食品は、発酵性食物繊維が豊富で、介護の食事にも取り入れやすいです。
雑穀類:雑穀米、もち麦、大麦など(主食として自然に取り入れられる)
根菜類:ごぼう、れんこん、にんじん(副菜にしやすい)
発酵食品:納豆、味噌、ぬか漬け(腸内バランスを整える)
ヨーグルト:ビフィズス菌入りを選ぶと効果的(善玉菌を直接補給)

高齢者が腸活を必要とする背景
体の変化
・胃腸機能の低下により、便秘や下痢が増える
・食事量の減少と栄養の偏り
・嚥下機能の衰えで、食べられる物に制限が出る
・多くの薬の服用により、腸内細菌のバランスが崩れやすくなる
心の変化
・排便の悩みを恥ずかしがり、家族に相談できない
・便秘が長引くことで、精神的なストレスが強くなる
・「もう年だから」と健康への意欲が下がる
介護者にできる腸活支援とは?
課題と対策
・食欲低下→ 少量でも栄養価が高く、食べやすい副菜を工夫する
・水分不足→ 味のあるスープや温かいお茶で水分を促す
・便秘→ 食事の見直しに加え、生活リズムも整える
介護施設での実践例
・雑穀ごはんを週2回提供する
・根菜や海藻を使った副菜を毎日1品提供
・朝に「ラジオ体操+水分+ヨーグルト」をセットで行う“腸活習慣”を導入
家族や地域で支える腸活の工夫
家族の関わり方
・一緒に料理をしたり、食事を楽しむことで食への興味を高める
・「何を食べたら便通が良くなる?」と会話の中で自然に気づきを促す
・外食や買い物などで、気分転換を図る
地域でできること
・高齢者向けの料理教室で「腸活レシピ」を紹介する
・雑穀や地元野菜を使った健康メニューの共有
・地域包括支援センターと連携して食生活を支援する
腸内細菌が連携する「菌のリレー」とは?
腸内細菌は、バトンを渡すように働いています。
これが「菌のリレー」です。
1. 第1走者:糖化菌(糖をつくる)
2. 第2走者:ビフィズス菌(糖を酢酸に変える)
3. 第3走者:酪酸産生菌(酢酸を酪酸へ変える)
このリレーがうまく回ることで、腸内は健康な状態に保たれます。
つまり、食物繊維(バトン)と善玉菌(走者)がセットで必要というわけです。
介護現場で見える腸活の課題と可能性
現場の課題
・時間に追われ、食事支援がルーチン化してしまう
・嚥下障害やアレルギーによって、使える食材が限られる
・下剤の使用が常態化し、自然な排便が難しくなっている
それでも起きている前向きな変化
・雑穀を導入したことで排便リズムが安定した利用者が増加
・「腸活=フレイル予防」という意識がスタッフの間で浸透
・地域農家と連携して、新鮮な雑穀や野菜の供給体制が整ってきた

まとめ
腸活は“未来の介護”を守る第一歩
腸の健康は、身体だけでなく心の健康にもつながっています。
介護者の役割は、排泄をサポートするだけではありません。
「腸内環境を整えるための支援」こそ、これからの介護に求められる視点です。
発酵性食物繊維の工夫、善玉菌の摂取、生活習慣の見直し、そして本人が前向きに腸活を実践できる環境づくり。
腸活は、特別なことではなく“毎日の小さな積み重ね”それが、高齢者のQOLを守るもっとも効果的な一歩となります。



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