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老後2000万円じゃ不足?
外出支援や家事…
膨らむ介護保険外サービス
1億人の未来図
2025/09/28 05:00
日経速報ニュース

【この記事の内容】
『介護に月5万円かかる!?見えない出費とは?』
はじめに
「見えないニーズ」をどう拾うか?
介護現場の現実
介護保険制度は、高齢者の生活を支える柱ではありますが、すべての困りごとに対応できるわけではありません。
たとえるなら、雨漏りを修理しても、壁のヒビには気づかないようなもの。
制度の“網”からこぼれるニーズは意外と多く存在しています。
その隙間を埋めるのが、介護保険外サービスです。
この記事では、介護者の視点からこのサービスの必要性や今後の可能性を、多角的に考察していきます。
結論
保険外サービスのニーズは今後ますます増える
・高齢者の生活の多様化に伴い、公的保険では補えない支援が増加
・QOL(生活の質)を維持するには、保険外サービスの活用がカギ
・ただし費用負担や制度の連携不足が課題として残る
なぜ「老後2000万円」では足りないのか?
実情
生活の中に保険外支出が組み込まれ始めている
「老後2000万円問題」は、年金収入と支出のギャップを試算したものですが、ここには保険外サービスの費用は考慮されていません。
たとえば、以下のような支援は保険の対象外です。
・日用品の買い物支援
・銀行・役所への付き添い
・早朝や深夜の身体介助
・ペットの世話
・家族のための家事や雑務
これらは民間サービスに頼るしかなく、1回の利用で数千円。
月に4~5万円、30年では1,400万円を超える可能性があります。
つまり、老後に必要な資金は2000万円では足りない現実があるのです。

保険外サービスが求められる理由とは?
①高齢者本人の変化と心情
年齢を重ねると、「できていたこと」が少しずつ難しくなります。
買い物や通帳記帳など、ちょっとした外出も一人では不安という声が増えています。
しかし、外出は心身の機能を維持するリハビリ効果もあります。
②家族介護者(ビジネスケアラー)の現実
仕事をしながら介護を担う「ビジネスケアラー」は、心身ともに大きな負担を抱えています。
・通院の付き添いで仕事を休まざるを得ない
・遠距離介護で掃除や洗濯まで手が回らない
・保険ではカバーできない日常支援に悩む
③地域社会の対応力と今後の課題
高齢者が抱える困りごとは地域によっても異なります。
電球の交換や家具の移動といった「生活の延長線上にある困りごと」も、保険サービスでは対応が難しいケースが多いのです。
今後は以下のような体制強化が求められます。
・地域包括支援センターと企業の連携強化
・ケアマネジャーが保険外サービスも視野に入れた支援設計を行う
・地域全体でニーズを共有し、サービスを創出する「地域ラボ」の設置
介護現場で何が起きているのか?
介護業界では、以下のような構造的課題が深刻化しています。
人手不足:離職率が高く、新規人材の確保が困難
制度の制限: 公的サービスは時間や内容に制限が多く、柔軟性に欠ける
保険外サービスのコスト高:必要でも費用がネックになりやすい
情報不足: 利用者が自分に合ったサービスを探しにくい
介護者として、今からできる備えとは?
①費用の見通しを立てる
・年金に頼るだけでなく、生活支援費を見込んだ資金計画を立てる
・必要なサービスを絞り込み、どこにお金をかけるか優先順位を決める
②「生活の質」を支援の軸にする
介護とは「できないことを補う」だけでなく、「その人らしく生きること」を支えることです。
・一人ではできないことを、誰かと一緒にする喜び
・外出や会話を通じた社会との接点の維持
・清潔で整った空間がもたらす安心感
③保険外サービスを“攻め”の支援として活用する
介護保険は“守りの制度”。
一方、保険外サービスは“攻めの選択肢”です。
・「不便だけど仕方ない」を「プロに頼む」に変える
・必要に応じて地域サービスやNPOとも連携
・無理をしない仕組み作りで、介護が“孤立”しないように
まとめ
保険外サービスはこれからの介護の「第二の柱」
今後の介護は、公的制度に加えて、民間や地域が支える「複線型モデル」が不可欠です。
介護者としては、
・公的支援に頼り切らない柔軟な姿勢
・家族の生活と両立できる介護スタイルの設計
・地域全体で支える共助の仕組みづくりを意識して行動することが求められます。
高齢者が「安心して、自分らしく老いる」ためには、保険外サービスはコストではなく、価値ある投資として考える必要があります。



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