介護休業の関連記事
「不登校離職」防げ、
企業が子のケアと両立支援
小中で最多35万人に
2025/10/29 17:00
日経速報ニュース

【この記事の内容】
『限界でした…子の不登校で離職する親が後悔する“誤解”とは?』
はじめに
介護の世界では、「支援の継続性」という大切な考え方があります。
これは、要介護者がどのような状況の変化に直面しても、支援が途切れないようにするという理念です。
この発想は、いま社会が抱える「子どもの不登校」と「親の離職」という問題にも通じます。
子どもが学校に行けなくなったとき、親は生活を立て直すために仕事を辞めざるを得ないことがあります。
いわゆる「不登校離職」です。
しかし2025年4月、厚生労働省が「介護休業」の制度を見直し、子どものケアも介護の対象に含めると明記しました。
これは、家族の支援をより柔軟に行えるようにする大きな一歩です。
「介護休業」は高齢者だけのものではなくなった
これまで介護休業といえば、要介護状態の高齢者を想定していました。
ところが今回の改正によって、発達障害や精神的な課題を抱える子ども、そして不登校で生活面の支援が必要な子どもも対象に加わりました。
保護者は通算93日間の介護休業を取得でき、条件を満たせば賃金の67%が給付金として支給されます。
つまり、「子どものケアのために仕事を辞めるしかない」という状況に対し、一時的な休業で支援できる社会の仕組みが整い始めたのです。
「介護」と「不登校ケア」に共通する構造
一見すると、高齢者介護と子どもの不登校支援は全く異なるテーマのように思えます。
しかし、ビジネス的思考(類推の考え方)で見てみると、両者には驚くほど多くの共通点があります。
どちらも、支援の中心に「人」がいます。
支援対象の年齢は違っても、「誰かのケアを続ける人を支える仕組み」がなければ成り立ちません。
介護では“介護者が倒れないようにする支援”が重視されます。
同じように、不登校家庭でも“親が孤立しない仕組み”が欠かせません。
「介護休業の発想を子どものケアに転用する」というのは、支援の切れ目をなくす社会のデザインとも言えます。

介護者視点
仕事とケアの狭間で
介護や子どものケアを行う立場にある親は、仕事と家庭の両立に日々悩んでいます。
子どもが「今なら外に出られる」と言ったときに即座に対応したい。
病院や面談の予定は平日の昼間に入る。
精神的なサポートには時間よりも「安心できる環境」が求められる。
このような状況では、従来の働き方では対応しきれません。
柔軟な勤務形態や休業制度が整うことで、介護者や親が燃え尽きずに支援を続けられるようになります。
それは、まさに「社会が提供する酸素」のような役割を果たします。
高齢者視点
支援の“拡張”が生む安心
高齢者介護の現場では、支援の対象が広がるほど「家族全体が安心できる」という実感があります。
同じように、子どものケアが介護制度の中で位置づけられることは、家族全体を包み込む支援体制の確立を意味します。
また、高齢者自身にとっても、「自分たちの経験や制度が次世代を支える」という意識が芽生えます。
それが「世代を超えた支援の循環」を生み出すのです。
家族視点
支え合いを「制度」と「地域」で補う
家庭内で支援を完結させるのには限界があります。
不登校の子どもを抱える家庭では、孤立、経済的な困難、精神的な不安が重なりがちです。
だからこそ、企業は柔軟な勤務制度を整え、自治体は相談・支援の拠点を用意し、地域は家族を支えるネットワークを築く必要があります。
介護の世界でいう「地域包括ケアシステム」の考え方を応用するなら、子ども・親・地域が一体となった「地域包括子育てシステム」が理想です。
地域視点
孤立を生まない仕組みづくり
地域社会の最大の使命は、「家族を孤立させないこと」です。
介護の分野では、見守り活動や地域サロンが孤立防止に役立っています。
同じように、不登校家庭にも、学校以外で人とつながれる場所が必要です。
フリースクールのような学びの場や、親同士が支え合うピアサポート、地域企業による在宅ワーク支援など、地域が“つながりの拠点”になることが求められます。
まとめ
介護の知恵を次世代のケアへ
介護分野の知恵は、「支援を切らさない」「ケアを分かち合う」「地域で支える」という3つの柱に集約されます。
この考え方は、そのまま子どものケアにも応用できます。
介護休業の対象拡大は、単なる制度変更ではありません。
それは、“家族の形”そのものを守るための社会的な基盤づくりです。
不登校離職を防ぐことは、家族、企業、地域、そして社会全体の利益になります。
介護と子育ての垣根を越えた支援の輪が広がることで、誰もが「ケアをしながら働ける社会」へと近づいていくでしょう。



コメント