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適度な運動が体のサビを減らす
森林浴や温泉で老化予防
2025/07/03 05:00
日経速報ニュース

【この記事の内容】
『サビついた心と体を放置するとどうなる?高齢者に起こる悲劇とは?』
はじめに
「体がサビつくと、心まで動かなくなる」
これは、関節が固くなるだけでなく、感情表現や他者との関わりが乏しくなることも“サビ”と捉える考え方です。
この“サビ”の一因とされるのが「活性酸素」です。
活性酸素は老化や病気の原因として悪者扱いされがちですが、実は適度な量であれば体に良い刺激を与え、健康維持に役立つこともあるのです。
本記事では、介護者の視点を中心に、「活性酸素」とどのように付き合いながら高齢者の生活の質(QOL)を支えるかを考察していきます。

活性酸素は“排除すべき敵”ではなく“調整すべき相手”
活性酸素の本当の役割とは?
・活性酸素は、酸素が変化して非常に反応性の高い状態になったものです。
・免疫機能を助ける役割もあり、体にとって本来必要な物質です。
・しかし、過剰になると細胞を傷つけ、老化や病気の引き金になります。
ホルミシス効果:わずかな刺激が力になる
・少量の活性酸素が体にとっての“適度な刺激”となり、抗酸化能(活性酸素を打ち消す力)が活性化されます。
・これを「ホルミシス効果」と呼びます。
・高齢者にとっても、この現象は健康維持の鍵となります。
なぜ「適度な運動」が高齢者をサビから守るのか?
理由1:軽い運動が体の抗酸化スイッチを入れる
・ウォーキングや太極拳のような軽い運動で、体は“軽いストレス”を受けます。
・この刺激が、ミトコンドリアから抗酸化物質を放出させるきっかけになります。
理由2:血流促進で体が修復モードに
・運動で血流が良くなれば、ダメージを受けた細胞の修復が進みます。
・また、筋力低下を防ぎ、転倒などの事故予防にもつながります。
介護現場での実践例
・天候が良い日は、利用者と一緒に「自然の中での10分間散歩」を習慣に。
・車椅子利用者には「座ったまま手足を動かす体操」を導入しています。

自然の力で抗酸化力を引き出す「森林浴」と「温泉」
森林浴がもたらす予想外の効果
・自然の中では、葉の音や水の音に含まれる“超音波”が皮膚に微細な刺激を与え、抗酸化能を引き出す作用があります。
・ヒノキなどの香り成分(フィトンチッド)は、ストレスを和らげ、自律神経を整える効果も期待できます。
温泉でのホルミシス効果
・ラドン温泉など、微量の放射線を含む温泉は、細胞を優しく刺激し、抗酸化力を高めるとされています。
・デイサービス施設での足湯活用なども、実践しやすい介護法です。
「動かない」ことのリスクと、介護の工夫
動かないことで始まる悪循環
・身体を動かさないことは、以下のような弊害を引き起こします。
・筋力低下 → 転倒リスク増加
・血流悪化 → 体温低下・免疫低下
・日光不足 → ビタミンD不足 → 骨粗しょう症
・接触減少 → 孤独感・うつの進行
動けない方には「皮膚への刺激」を活用
・手をさすったり、ハグするなどのスキンシップで「幸せホルモン(オキシトシン)」が分泌されます。
・皮膚への刺激だけでも、抗酸化能を高める効果があるとされています。

介護者・家族・地域それぞれの立場から考える対応策
介護者の役割
・ 「運動・自然・触れ合い」を意識して日常ケアに組み込むことが重要です。
・例えば、散歩・手のマッサージ・おしゃべりの“セットケア”が有効です。
高齢者自身の視点
・「もう動けない」と諦めるのではなく、「楽しみの中で体を動かす」ことが大切。
・自然や温泉を通じて、“元気になる仕組み”を楽しめるような工夫が求められます。
家族の関わり方
・週末に一緒に公園を歩いたり、温泉旅行を計画することで自然との触れ合いを増やせます。
・このような時間は、心のつながりを深め、健康への意識も高まります。
地域の可能性
・地域の公園、森林散策会、温泉施設との連携を深め、「動くきっかけ」を作り出すことが地域福祉の要です。
今、介護現場で直面している課題と対応策
運動不足:コロナ禍の影響で外出の機会が激減
→ 散歩会や運動レクの導入
栄養の偏り:調理の手間や食欲低下
→ 抗酸化食品(果物・ビタミン)を取り入れたメニュー設計
精神的ストレス:孤独・認知症不安
→ 自然音療法や森林動画の導入
自然との距離:都市化で自然から離れがち
→ バーチャル森林体験などの新技術を活用

まとめ:「抗酸化生活」はサビない高齢をつくる
土台活性酸素をすべて排除するのではなく、“ちょっとの刺激”が体を鍛えてくれるという視点が重要です。
介護者としてできることは、日常に「適度な運動」「自然の中での刺激」「人との触れ合い」を丁寧に取り戻していくこと。
サビつかない身体と心を育てるケアは、本人の自立を支えるだけでなく、家族の安心にもつながります。
“手をかけすぎない優しさ”こそ、真の介護の形なのかもしれません。



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