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親の介護、やりすぎない
公的支援活用し離職を防ぐ
2025/10/14 05:00
日経速報ニュース

【この記事の内容】
『親不孝ですか?7割が知らない「介護を外注すべきタイミング」とは』
はじめに
介護の現場で「やりすぎない介護」という言葉を考えることがあります。
これは、家族が介護をすべて引き受けるのではなく、公的なサービスや専門家の支援を活用して、自分の生活や仕事も大切にするという考え方です。
これはマラソンに例えると分かりやすいかもしれません。
長距離を一人で走り切るのではなく、周囲とバトンをつなぐリレー形式で走るように、介護も周囲と役割を分担しながら進めることが大切です。
特に、働きながら親の介護を担う「ビジネスケアラー」にとっては、公的支援をどう使うかが仕事と介護の両立を左右します。

ビジネスケアラーが直面する“二重の負担”とは?
■結論
介護と仕事の両立は、すでに多くの人が直面する課題です。
今後、この問題はさらに広がることが予測されています。
■背景
・経済産業省の調査では、働きながら介護を担う人(ビジネスケアラー)は、2030年には約318万人に増加すると推計されています。
・毎年約10万人が介護を理由に仕事を辞めており、これは個人の生活だけでなく、企業や社会全体にも影響する深刻な問題です。
・核家族化や共働き世帯の増加、高齢化の進行によって、家庭内での介護の負担はさらに増しています。
■実際のケース
ある40代男性は、親の認知症によって精神的に追い詰められ、仕事に集中できず、ついには離職を選びました。
しかし、安定した収入が途絶えたことで生活は不安定になり、後悔する声も少なくありません。
介護を「ひとりで抱えない」ことが最初の一歩です
介護離職を防ぐには、「家族だけでなんとかしよう」という思い込みから脱することが必要です。
■理由
・ケアマネジャー(介護支援専門員)などのプロに相談することで、負担を大きく軽減できます。
・公的サービスを使えば、介護者が自分の生活を守りつつ、介護の質を保つことができます。
・結果として、親との関係も良好に保ちやすくなります。
■具体的な事例
要介護5の高齢者夫婦を支える娘は、介護保険制度を活用し、デイケアや訪問診療、ヘルパーなどをフル活用しています。
介護負担が減ったことで、娘は親のもとを月に2回程度訪問するだけでも在宅介護を継続できています。
介護者・高齢者・家族・地域のそれぞれにある課題と対策
介護に関わるすべての立場から、現状とその対策を整理します。
■介護者(子世代)の課題
介護の負担が重く、仕事と両立できず離職に追い込まれることが多い。
→ 公的制度(介護休業・給付金)や支援窓口への早期相談が有効です。
■高齢者(親世代)の課題
「家族に迷惑をかけたくないが、施設には入りたくない」
→ 在宅で支援を受けられるデイサービスや訪問介護を活用することで、本人の希望も尊重できます。
■家族全体の課題
親の介護を外部に任せることに罪悪感を抱くことが多い。
→ 親世代の本音は「子どもに迷惑をかけたくない」ことが多く、会話を通じて理解を深めることが重要です。
■地域・企業側の課題
社員の介護離職は企業の人材損失につながる。
→ 企業による介護支援制度や、相談体制の整備が求められています。
制度の理解不足が介護離職を引き起こす
多くの人が、介護休業や介護休暇を「介護をするための時間」と誤解しています。
実際には、これらの制度は「介護体制を整えるための時間」として設けられています。
準備や調整をするための制度なのに、それを使わず離職してしまう人が多いのは、情報不足や誤解が大きな原因です。
「親不孝」という意識が介護を難しくする
介護において、「外部に任せるのは親不孝」という感情が、日本社会では根強く残っています。
しかし、ダスキンの調査では、「自分が介護される立場になったら、家族には負担をかけたくない」と考える高齢者は多いことが分かっています。
つまり、「自分で抱え込まず、支援を使うことこそが親への思いやり」であるという認識が必要です。
介護業界でも進む「支援の仕組み化」
介護の現場では、地域全体で高齢者を支える「地域包括ケア」の仕組みづくりが進んでいます。
■現場で起きている変化
・医療・介護・福祉の連携による在宅支援の強化・
高齢者のQOL(生活の質)を重視した支援体制の整備
・デジタル技術(介護DX)を活用した見守りや業務の効率化
・介護者向けのセミナーや相談会の開催による家族支援の強化
まとめ
「全部自分でやらなくていい」ことを知ろう
介護離職を防ぐために大切なのは、頑張りすぎない勇気です。
介護は一人で抱え込むものではなく、支援を活用して親の尊厳と自分の人生を両立させる「チーム戦」なのです。
■要点まとめ
・ビジネスケアラーの数は増加中。離職リスクも高まっている
・公的制度やサービスを知り、早めに相談
・活用することが重要
・親の意向を尊重し、支援を活用することは「親不孝」ではなく「親思い」
・家族・地域・企業が一体となって、介護者を支える体制づくりを進めるべき
最後に:介護者として大切な心構え
介護とは、単に「親の世話をすること」ではありません。
親の人生を尊重しつつ、自分の人生も大切にする協働のプロセスです。
必要なときには、迷わず支援を受けましょう。
支えることと支えられることは、両立できます。



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