知らずに放置すると危険!運転能力が“急落する瞬間”とは?

介護

自動車学校の関連記事

自動車学校、

高齢者の健康もナビ 

高松「T・D・S」

2025/11/25 02:00

日経速報ニュース

自動車学校、高齢者の健康もナビ 高松「T・D・S」の樽本勇紀専務 - 日本経済新聞
これからの時代、事業内容が「自動車学校」だけでは潰れる――。高松市で65年続く「高松自動車学校」を運営するT・D・S(高松市)が、教習所の敷地内にジムを誘致したり高齢者向け健康診断を始めたりと、一風変わった取り組みを始めた。仕掛け人の樽本勇...

【この記事の内容】

高齢者の免許返納が遅れたせいで起きる“悲劇”とは?

はじめに

介護の世界には「自立支援という名の伴走」という考え方があります。

これは、介護者が高齢者から何かを取り上げるのではなく、今できていることを一緒に支え、必要に応じて更新していく姿勢を示しています。

高齢者の運転問題も、このアナロジー(類推思考)を用いると理解しやすくなります。

運転は日々の生活を支える重要な“機能”であり、免許返納はその機能を奪う決断ではなく、新しい移動手段に切り替えるプロセスだと捉えられるからです。

本記事では、介護者・家族・高齢者本人・地域社会の視点を行き来しながら、高齢者の運転と健康、そして免許返納の課題について整理していきます。

高齢者の運転問題は「健康問題」であり「生活問題」

なぜ運転は“健康問題”になるのか

運転は視力、認知機能、判断速度など、身体と心の状態に直結する行為です。

そのため、加齢による機能低下は、必然的に運転能力にも影響を与えます。

高齢者の事故リスクが高まる背景には以下の要因があります。

・夜間や暗い場所で見えづらくなる

・道路状況を把握する力や注意力が落ちる

・身体の硬さや筋力低下で操作が遅れる

・糖尿病や心疾患などの持病が運転中に影響する可能性がある

例えば、駐車場で切り返しが増えたり、信号が変わるタイミングで迷ったり、右折が怖くなるといった変化は、介護現場でも“身体の小さなサイン”としてよく見られます。

介護分野から見る「運転」と「免許返納」

介護では「できる能力を評価し、維持し、危険な領域は補う」という考え方が基本です。

これを運転に置き換えると、自然に次の結論に行き着きます。

免許返納は「もうできないから諦める」のではなく、「今ある能力を一度整理し、より安全な生活方法を再構築すること」なのだということです。

例えば、運転能力を客観的に把握し、危険な部分は安全装置付きの車で補い、それでも難しい場合は代替手段に移行する。

これも立派な自立支援の一つです。

時代の変化と高齢者の心境の深い関係

近年、自動車学校が単に運転を教える場所ではなく、健康づくりや地域支援の拠点に変わりつつあります。

この動きには、高齢者の複雑な心境が背景にあります。

高齢者は「運転は自立の象徴」と感じています。

自分で病院へ行き、買い物に行けるという誇りがあります。

一方で免許返納は、生活範囲が狭まる不安につながります。

そのため健康状態を客観的に知りたい、誰かに「もう少し大丈夫」「今のうちに準備をしよう」と言ってほしいという気持ちを抱きやすいのです。

自動車学校にジムや健康診断が併設されるようになったことは、高齢者にとって「自分の運転と健康を、数字で確認できる安心材料」になっています。

介護現場で用いるICF(心身機能・活動・参加を総合評価する考え方)とも非常に近い発想です。

介護者が直面する課題とその対応

介護者は、運転に関して次のような難しさを抱えやすいです。

・明らかに危険でも家族に言いづらい

・本人が防衛的になり話し合いが進まない

・返納後の生活が想像できず不安が残る

・医療、福祉、交通が連携しづらい

このような状況では、事実を記録し、第三者の評価を活用し、返納後の生活プランを一緒に考えることが有効です。

また、「取り上げる」ではなく「安心の選択肢を増やす」という視点で話すことが、本人の抵抗感を和らげます。

高齢者本人の視点

高齢者にとって運転は自由の象徴であり、返納は生活の縮小に見えることがあります。

実際に返納後の生活のイメージが持てず、不安が大きくなる人も少なくありません。

そのため、運転能力を定期的に測る仕組みを作り、返納を「卒業」ではなく「生活のアップデート」として捉えられるように支援することが重要です。

家族の視点

家族は「事故が怖い」「でも尊厳は守りたい」という板挟みに陥りやすい立場です。

さらに、返納後は送迎や生活支援が増えるため負担への不安もあります。

感情論を避け、客観的なデータを元に話し合うこと、返納後の生活シミュレーションを早めに行っておくことが、家族のストレスを軽減します。

地域の視点

地域では、高齢者の移動手段の不足が深刻です。

特に地方では車がないと生活が困難になり、結果として社会参加が減少する事態も起こります。

そのため、自動車学校を健康・交通の拠点として活用し、運転能力評価、健康支援、ジム併設などを通じて高齢者の移動と健康を包括的に支える取り組みは、今後ますます必要になります。

介護業界に押し寄せる外圧と運転問題の共通点

介護業界では、重度化する高齢者、家族介護力の低下、人手不足、自立支援の推進など、複合的な外圧が強まっています。

これらは、「健康」「移動」「自立」を切り離せない問題として捉える必要があることを示しています。

結論

免許返納は生活を立て直すプロセス

免許返納は、高齢者から自由を奪う行為ではなく、「今の健康状態と生活を見直し、より安全で安心できる生き方に切り替えるプロセス」です。

健康状態の見える化、運転能力の継続評価、返納後の生活設計、地域資源の活用などを組み合わせることで、本人も家族も納得できる形で生活をアップデートできます。

コメント

error: Content is protected !!
タイトルとURLをコピーしました